治療者イップス、あまり聞きなれない方がいらっしゃると思いますが結構多いと思います。
- 一番良い治療法を探しているが中々見つからない。
- 自分の治療法が一番正しいと思っているにも関わらず何か満足できない。または満足してもらえない。
- 中々患者様と信頼関係が築けない。
- 自分自身のテクニックに自信がない。
- 自分自身の治療に自信がない。
- あまり患者様に喜んでもらえていない。
- 患者様に喜んでもらっているけど何か満足しない自分がいる。
などなど治療者イップスの方は思われていると思います。
この治療者イップスに陥る最大の原因は何だと思われますか?
それは、「治療者は【世間一般的に言われている症状を治す】のが当たり前」という概念がとても強い事にあります。
その当たり前という概念が自分自身を苦しめている事にあります。
実は、【治す・治る】という言葉には、とても沢山の要素が含まれています。
そしてそれは治療者1人1人違うのです。
治療者に【治る】とは何でしょうか?
と質問すると色々な回答が返ってきます。
- 患者様の症状を治す事
- 患者様を健康にする事
- 患者様を前向きにする事
- 患者様の痛みをとる事
- 患者様を笑顔にする事
- 患者様に幸せになってもらう事
- 患者様に満足してもらう事
などと【治す・治る】という文字情報に対して各治療者によって考え方が異なります。
まず、この治療者によって違うという事実を理解し、
- 自分自身はどの様に患者様になってもらいたいのか?
- 患者様がどの様になると自分の満足が得られるのか?
- その満足が得られた自分自身はどんなものが得られるのか?
- その得られるものは本当に自分自身にとって大切な事なのか?
この質問を自問してみてください。
自分自身を理解していくと、いろいろな視点が生まれます。
すると、今自分が一番提供したい事、喜んで頂きたいと思える患者様層、そしてそのために今、自分自身足りないものがわかってきます。
そうすればそれを実行すれば自分の満足度が上がり、他に満足度を求めるという行動を抑制する事が出来、患者様の満足度がさらに上がるでしょう。
先日、治療者の方でお悩みの方とお話を頂ける機会がありました。
その方に、この様な質問をさせて頂きました。
私:あなたにとって仕事で一番得たいものは何でしょうか?
相手:お金を儲けたいです。
私:お金を儲ける事によってあなたは何が得られるのでしょうか?
相手:自分の満足度です。
私:その満足度であなたが得られるものはなんでしょうか?
相手:求められているという気持ち、自分の存在意義です。
私:ではその存在意義であなたが得られるものはありますか?
相手:え~、もう思いつかないです。
でも、何か気づけた気がします。自分が存在意義を求めているから、今の職場でアスリートなどのサポートをする時、すごくワクワクして楽しい自分がいました。あまり悩みのない患者様に比べて、悩みの強いアスリートを治療した方が、自分自身の存在意義が満たされていたから楽しめていたのだと思います。
私:なるほど。ではもう一度質問します。あなたにとって仕事で得たいもの、一番大切にしたい気持ちは何ですか?
相手:やりがいです。凄く困っている人やアスリートなどに必要とされて自分の存在意義が満たされる状態が一番幸せな気がします。
私:最初はお金とおっしゃいましたが、今どうでしょうか?
相手:違いました。もちろんお金も求めていますが、一番求めていたところは「やりがい」でした。
いかがでしたか?
意外に今皆さまが思っている求めている事と、自分自身の深い部分が求めている事は違う事がとても多いのです。それが治療者イップスの入り口です。
もちろんこれはあくまでのこの治療者の場合です。それぞれ治療者によって一番大切にしている気持ちや求めている満足感などは違います。
その自分自身を気付く事によって、自分の治療者としての、設定が出来ます。それが気付けないと自分自身が本当にやりたい事とはかけ離れた行動が伴われ、自分自身を苦しめ、身体に不調をきたしたり、他(遊びや買い物、それは人それぞれですが)に満足度を求める行動が起こります。そしてそれは、無意識の思考パターンのため本人は他に満足度を求めている事に気づけないのです。あたかも本当に求めているものと錯覚を起こしているのです。
これが良い!これが悪い!この治療法が一番良い!自分のテクニックが正しいなどの判断癖が自分自身を苦しめている事に気付けるととても楽になるのです。
そして、自己が見つめると、何が必要かわかります。
例えば、【患者様が求めている事を解決する】という事が治療者の設定であり、治療者の一番大切にしたい事であり、一番満足する事だと治療者自身が気付いたとしましょう。
ある患者様が【痛み】で来院し、それを治したいと言いました。
そうすれば、おのずとこの患者様の訴える【痛み】を解決する事で治療者は満足します。
ここで大事な事は【患者様の痛み】という事です。
世間一般的に言われている【痛み】と違うかもしれません。
患者様の訴える痛みとは何か?
という事を見極める能力が必要になります。
【痛み】の中には【苦しみ】や【不安】、【恐怖】など他にも様々なものが含まれている事がとても多いです。それを見破れる問診力、患者様を診るというスキルが必要になります。
そうしないと患者様の訴える【痛み】を0にする、解決する事がとても難しくなります。
患者様の言葉、表情、行動には、様々な感情や価値観、信念、思い込み、記憶、利得が背後に隠れています。
- 先生、治したいです。
- いずれかは治ると思っているんですけど、
- 古傷が、
- 何か筋肉がつまっている感じがあるんです。
- 筋肉が腐っている感じがするんです。
- 動かすと「ピキピキ」する感じがするのです。
- 布団で横になっているのが一番楽なのです。
- 家事をすると痛みが出るのです。
- ずっと痛いんです。
- 常に痛いです。
- まだ痛いです。(治療後)
アスリートだと
- 何か自分の感覚と違う。
- 思ったように身体が動かないのです。
- 来年優勝したいです。
- この痛みがあるから、不安なんです。
など上記の様な言葉の背後に患者様の何が隠れているかわかるでしょうか?
それがわかる様になると、その患者様に必要な治療法が必然的に選択され、一段と効果が表れ、患者様の本当に求めている事が満たされ、自覚症状も消失します。すると揺るがない信頼関係が築けます。
一つだけ正解を挙げると、「~したい」の裏には「願望であり、したいけどできない要素」が隠れています。
治りたい、治したい、優勝したいなど皆さま使ったことありませんか?または患者様に言われた事はありませんか?裏にはできないと少しでも思っている自分がいるのです。その場合、少しでもできないと思っている部分が何なのか?わかれば【~したい】から【する】に変わります。
ここで、私の話になりますが、私自身【患者様の抱える治したいと思っている問題を解決(0)する。そして感動して頂く。尚且つ生涯の健康を手に入れる】というのが設定で満足が得られます。
感動とは、感じて動かすという書きますが、患者様を感じて、患者様の心が動くから感動が生まれると思っています。
患者様を感じるという事は、患者様自身が気付いている部分、気付けていない深い部分(無意識)まで感じとる事、心を動かすためには必要に応じた治療技術を使う事、これによって感動して頂き、患者様の抱える問題を0になるまでしっかり寄り添えたらと思って治療しています。
そして、どんな症例にも対応できる自分自身でいるために、相手を感じる感性と心を動かす治療技術を磨く事を続けます。
構造医学も機能的医学も大切ですが、世の中にはそれでは解決できない症状が多く存在します。それは心理的な問題が身体的な症状に転換している「転換ヒステリー」です。筋骨格系や平衡感覚系、ホルモン系、メンタル系、免疫系などの症状など沢山ありますが、器質的な異常のない殆どの症例がこの「転換ヒステリー」が関係しています。
10段階スケールで患者様の症状を数値化すると、構造医学、機能医学で6下がったとします。残りの4は転換ヒステリーに対する施術をしないと0になりません。逆を言うと、転換ヒステリーに対する施術を行えば0になるのが普通になります。そうすれば、少ない施術回数で症状のスケールが下がると共に、転換ヒステリーを引き起こすパターンに患者本人が気づくため、生涯健康を手に入れる事ができます。
メンテナンスが大切という治療家が多いですが、それは人間をロボットや車として考えています。その言葉には、人間のすばらしい生命メカニズムを軽視した回答でもあります。石井堂は石井堂の施術を受けると、生涯健康になれる、思考ー習慣ー行動パターンを学習記憶できるように患者教育しています。
「今のお悩みの症状を0にする決意を患者本人が責任もって決断し、術者はそれに寄り添い0にする援助を行い、その後メンテナンスを必要としない身体を施術者が提供するのではなく患者本人が責任もって自分自身で手に入れる。」様に患者様のラインに寄り沿って援助しています。
もちろん私はいくつも選択肢の提供をしておりますので、患者様本人がその選択肢の中でメンテナンスを必要としたいと自己責任で決定した場合は患者様に寄り添わせていただいております。
施術時間20分で16,200円という施術費を頂いておりますが、この転換ヒステリーに対する施術を行える施術者はとても少ないため、患者様はこの金額でも安いとおっしゃります。「治る(問題が解決する)のならいくらでも払う」これが患者様の本心でも多い回答です。
いかがでしたか?
治療でお悩みの方が少しでも、気付きがあり、先生が本当に目標にしたい場所に対して邪魔しているブロックが一つでもとれたのであれば私は幸せです。
そして、自己を見つめるという事はとても難しい事です。もし、お悩みを解決し目標を達成したいと思われる先生がいらっしゃりましたら、ご相談下さい。しっかりと向き合い、先生のラインに寄り添って施術させて頂きます。